おさかな★戦争(2006.7.21) 「いっちゃん。源氏君にね、面白いお魚を教えてもらったの」 (双葉、俺の友達からの情報を自慢げに話しに来る幼馴染みよ。頭がとうもろこしになってるぞ) 長い髪をてっぺん近くで結んで、制服の裾を揺らしながら、もろこし娘は駆け寄ってくる。 下校途中の通学路でも、奴は気兼ねなく横に立ってくる。周りの視線は気になるが、双葉の行動は迷惑ではない。ただ、ファンクラブからの呪いが俺は怖い。まぁ、それは置いておいて。 「源氏に?」 「ええ、『おじさん』という名前のお魚がいるんですって。いっちゃんは知っていた?」 嬉しそうな、知らないでしょ? とでも言うような笑顔。何食わぬ顔で俺は答える。表に出ないが、悪戯心に悪魔の囁きが響き渡った。 「あぁ、知ってた。ついでに『ばばあ』って魚も知ってる。……源氏の家の近くに斉藤って住んでるだろ? 奴の家には『にいさん』と『ねいさん』って魚がいるぞ」 「……本当に? そんなお魚もいるの?」 悔しいより驚いたと、双葉は眼を丸くした。今度「ばばあ」を食わせてやろうか、双葉。皺だらけの魚だが、あれでも食えるんだぞ。 ……数日後、俺は源氏に殺されかけ、斉藤に嬉し泣きをされた。双葉はファンクラブのNO・4である斉藤の家に魚を見に行ったらしい。そして、「にいさん」「ねえさん」という名の巨大金魚と遊んできたとかこないとか。 「たかが4席の斉藤の家に双葉ちゃんがっ!? 壱哉っ余計なことをっ!」 「4席って……お前が変な名前吹き込むからからかいたく……」 「驚いた顔が可愛いんだよっ! 主席の俺を差し置いて……斉藤めっ」 ……源氏、俺が無機物を見る目でお前を見ていたらごめん。誰かファンクラブの仕組みを教えてくれよ。 ☆ 本日の試合結果。おさかな勝利。 -レッツ☆ウォーtop- |